「パチンコ業界の今後を考える」(2017年5月1日)

 日本経済が上向きつつある情勢下にあっても、ホール業界を取り巻く経営環境は、国内外の諸情勢を受けて依然として先行き不透明な状況が続いています。
 
 一時は30兆円産業ともてはやされたパチンコ産業も、現在では参加人口は1,070万人に、営業所数は11,310店舗にまで減少しました。全体としての業況も大変厳しい状況であり、レジャー白書等の調査では、市場規模も10年で過去最低の値となっています。しかし依然として市場規模は約23兆円と、余暇市場の3割強を占める巨大な産業でもあります。
 
 そんな中、2015年11月から、さらに厳しい規制が導入されました。MAXタイプと呼ばれるような大当たりを楽しむ機種・人気の台は概ね全て禁止されることになりました。以後新基準に適合した台のみ、新台入替でパチンコ店に入荷可能となり、利益率が高い固定客の足が遠のき、客付きが減り、パチンコ店の経営にとっては大きなマイナスです。
 
 また、現在厚生労働省が取り組んでいる受動喫煙対策も、大きな課題の一つです。遊技参加者の4割以上が喫煙者とのデータもあり、他産業に比べて喫煙比率が非常に高い業種であるため、受動喫煙防止対策による影響も大きく響きます。
 
 しかし、現在エアコンや空気清浄装置、室内換気装置など、空調関係に設備投資しているホールは増えており、昔のパチンコホールのイメージとは全く違う環境となってきています。フロア分煙など多様な施策を認め受動喫煙対策はとても重要な課題ですが、遊技参加者、事業者の理解も得ながら、段階的に環境整備をしっかりと進めて行くことが重要だと思います。
 
 依存症対策についても、子供の車内放置や置引き、窃盗などが社会問題になっています。「明るく、安心して、楽しく遊べるパチンコ」にしなければなりません。
 
 IR法については、カジノとパチンコは大きく性質を異にするものであるという認識が重要であろうと思います。
 
 広く地域社会や来場客に、健全な大衆娯楽を提供するという固い信念のもと、地域住民に愛される多様性のある遊技機・遊技場を提供するという精神が重要です。そのため、遊技の「公正性」、「公平性」が担保されていることが大前提です。不正の一掃に向けた取り組みにも、より強化していかなければなりません。
 
 パチンコの業界団体である遊技協も、これまで社会的責務である地域の防犯運動や安全活動、社会福祉への貢献活動に、熱心に取り組んでいます。これからもパチンコが「身近で手軽な大衆娯楽」の場であり続けるためには、努力の積み重ねが必要です。日本の文化の一部でもあるパチンコを、しっかりと見守っていく必要があります。